フリーランスの社会保険、入り方を5ステップで解説

会社を辞めてフリーランスになると、社会保険の手続きを自分でやらないといけない。でも、何から始めればいいかわからなくて、退職後にしばらく放置してしまう人、けっこう多いと思います。ぼくも最初そうでした。この記事では、フリーランスが社会保険に入るための手順を5ステップで整理してみます。

本記事の要約
・フリーランスの社会保険は「国民健康保険+国民年金」が基本
・退職翌日から14日以内に手続きが必要
・任意継続・国保・家族の扶養の3択を比較してから選ぶのがコツ
・手続き先は市区町村の窓口とねんきんネット
・放置すると未加入期間が発生してペナルティになる場合も
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SIerからフリーランスPMへ転身。リモートワーク・転職・副業のリアルな話を体験ベースで発信しています。

フリーランスの社会保険ってそもそも何に入ればいい?

まずここを整理しないと、手順の話をしても頭に入ってこないと思うので、基本から確認します。

会社員のときは、勤務先が「健康保険(協会けんぽ等)」と「厚生年金」に加入させてくれていました。保険料も会社が半分負担してくれていた、あれです。

フリーランスになると、その「会社が用意してくれていた保険」から外れます。代わりに自分で入るのが以下の2つです。

  • 国民健康保険(こくほ):病院にかかるときに使う保険。市区町村が運営。
  • 国民年金:老後の年金のベースになる保険料。月額約1万6千円台(毎年変動)。

ただし、健康保険については「国民健康保険」一択ではなく、3つの選択肢があります。これ、意外と大事で、ここで選択を間違えると保険料が数万円単位で変わってくることもあります。次の見出しで比較します。

健康保険の3つの選択肢を比較する(ここが一番重要)

正直、この比較をすっ飛ばして手続きしてしまうのが、フリーランス1年目にありがちな失敗です。ぼく自身もここをちゃんと調べなかったせいで、任意継続のほうが安かったのに国保に入ってしまいました。後悔した記憶があります。

① 任意継続(前の会社の健康保険をそのまま続ける)

退職後、任意継続とは、会社員時代に加入していた健康保険組合に、退職後も最大2年間個人として加入し続ける制度です。保険料は会社負担分がなくなるので、在職時の約2倍になりますが、それでも国保より安くなるケースがあります。

ポイント
前職の収入が高かった人ほど、任意継続の保険料に上限がある分、国保より安くなりやすい傾向があります。退職前に比較しておくのがおすすめです。

② 国民健康保険(市区町村に加入する)

フリーランスの多くが選ぶのがこれです。前年の収入をもとに保険料が計算されます。独立1年目は前職の収入が高いと保険料が高くなる場合があるので注意が必要です。逆に、収入が下がった2年目以降は安くなるケースも多いです。

③ 家族の扶養に入る

配偶者や親が会社員で社会保険に加入している場合、被扶養者(ひふようしゃ)として健康保険に入れてもらえることがあります。保険料が0円になるので最もコストは低いですが、年収130万円未満(一部106万円未満)という収入要件があります。フリーランスとして稼ぎ始めると条件を外れるケースが多いです。

どの選択肢が安いかは個人の前年収入・家族構成によって変わります。市区町村の窓口で「国保の概算保険料を教えてください」と聞くと試算してもらえることが多いです。任意継続の保険料は退職前に会社の人事や健保組合に確認するのがいちばん確実です。

実際にやった手順を5ステップで解説します

では、ここからが本題です。ぼくが独立したときに実際に踏んだ手順を整理してみます。

STEP 1:退職前に「任意継続 vs 国保」の保険料を比較する

退職後は時間に追われます。なので、在職中に比較しておくのが鉄則です。具体的には2つの数字を確認します。

  • 任意継続の保険料:会社の人事部または加入している健康保険組合に問い合わせる
  • 国民健康保険の概算:自分が住む市区町村の公式サイトか窓口で試算してもらう

ぼくのケースでは、独立1年目は前職収入が高めだったので国保のほうが少し高くなりました。任意継続にしておけばよかったと少し後悔しましたが、2年目以降に収入が安定してきてからは国保のほうが安くなりました。タイミングによって変わるので、毎年見直す意識が大事だと思います。

STEP 2:退職日を確認して「手続きデッドライン」を把握する

社会保険の切り替え手続きには期限があります。

  • 国民健康保険への加入:退職日の翌日から14日以内に市区町村窓口へ
  • 任意継続への申請:退職日の翌日から20日以内に健保組合へ(日数を過ぎると選択不可)
  • 国民年金の切り替え:退職日の翌日から14日以内に市区町村窓口へ

注意
期限を過ぎると、任意継続は選択できなくなります。国保は遡って加入できますが、未加入期間の保険料も後から請求されます。放置は絶対にNGです。

STEP 3:必要書類を準備する

窓口に行く前に書類を揃えておくとスムーズです。国保・国民年金の手続きで共通して使うものを整理します。

  • 健康保険資格喪失証明書(退職した会社から発行してもらう。退職後に郵送されることが多い)
  • マイナンバーカード または マイナンバー通知カード+本人確認書類
  • 印鑑(シャチハタ不可の窓口もあるので念のため認印を持参)
  • 通帳またはキャッシュカード(口座振替で支払う場合)

健康保険資格喪失証明書は、退職後1〜2週間で会社から郵送されてくることが多いです。ただ、会社によっては遅れることもあるので、退職前に「いつ頃届きますか?」と人事に確認しておくと安心です。

STEP 4:市区町村の窓口で国保・国民年金の手続きをする

書類が揃ったら、住所のある市区町村の役所(区役所・市役所)に行きます。国保と国民年金の両方を同じ窓口でまとめて手続きできる自治体がほとんどです。

「会社を退職して、国民健康保険と国民年金に加入したいです」と言えば案内してもらえます。窓口でかかる時間は、混み具合にもよりますが、30〜60分程度を見ておけばだいたい大丈夫でした。

マイナンバーカードを持っている場合、自治体によってはオンライン申請や郵送手続きに対応しているところもあります。住む自治体の公式サイトで確認してみるのもいいと思います。

STEP 5:保険証が届いたら内容を確認する

手続き完了後、国民健康保険証は数日〜1〜2週間ほどで郵送されてきます。届いたら以下を確認します。

  • 氏名・住所・生年月日に誤りがないか
  • 有効期限(国保の保険証には有効期限がある)
  • 保険料の支払い方法(口座振替の申請が必要な場合は別途手続きが必要)

国民年金については、ねんきんネット日本年金機構 ねんきんネット)でオンラインから加入状況を確認できます。登録しておくと、年金記録の管理や保険料の支払い状況の確認が手軽にできて便利でした。

フリーランス1年目にやりがちな失敗と対策

実際にやってみて「これ気をつけたほうがよかった」と思った点を正直に書いておきます。

失敗① 比較せずに国保に入ってしまった

前述のとおり、ぼくは任意継続の保険料を確認しないまま国保に切り替えました。独立1年目は前年収入が高かったので、国保の保険料が月3万円台になって少し驚いた記憶があります。任意継続にしていたら2万円台で収まっていたかもしれない。で、結論から言うと、退職前に必ず両方の金額を確認してほしいです。

失敗② 国民年金の「猶予制度」を知らなかった

独立直後は収入が不安定なことも多いと思います。そういう時期には、国民年金の保険料免除・納付猶予制度を使える可能性があります。前年の所得が一定以下であれば、申請することで保険料の全額または一部が免除されます。

これ、意外と大事で、知らないまま未払いにしてしまうと「未納」扱いになりますが、ちゃんと申請すれば「免除」になるので将来の年金にも影響が出にくくなります。市区町村の窓口または日本年金機構の公式サイトで確認できます。

失敗③ 保険料を経費にできると思っていた

これ、勘違いしている人が多いんですが、国民健康保険料と国民年金保険料は事業の経費にはなりません。ただし、確定申告で「社会保険料控除」として所得控除の対象にはなります。経費とは別の枠なので、混同しないように注意が必要です。

確定申告との連携:社会保険料控除を忘れずに

ここも実務として知っておいてほしいポイントです。

フリーランスは毎年2〜3月に確定申告をします。その際、1年間に支払った国民健康保険料と国民年金保険料は、社会保険料控除として申告できます。支払った金額がそのまま所得から差し引かれるので、節税効果があります。

国民年金の控除証明書は、毎年10〜11月ごろに日本年金機構から郵送されてきます。これを確定申告の書類と一緒に保管しておきます。国保の保険料は自分で支払った金額を計算して申告します(領収書や支払い履歴を手元に残しておくといいです)。

ポイント
確定申告はfreeeマネーフォワード クラウド確定申告などの会計ソフトを使うと社会保険料控除の入力もガイドに沿って進められます。ぼくはfreeeを使っていますが、初めての確定申告でも迷いにくかったです。

まとめ:フリーランスの社会保険は「退職前の比較」がすべてを決める

記事の要点を整理します。

  • フリーランスの社会保険は「国民健康保険+国民年金」が基本の組み合わせ
  • 健康保険は①任意継続 ②国民健康保険 ③家族の扶養の3択。退職前に保険料を比較して選ぶこと
  • 国保・国民年金の手続き期限は退職翌日から14日以内(任意継続は20日以内)
  • 手続きに必要な書類は「健康保険資格喪失証明書・マイナンバー・印鑑」が基本セット
  • 保険料は経費にならないが、確定申告で社会保険料控除として申告できる

正直、手続き自体はそこまで難しくないです。ぼくも最初は「役所に行くの面倒だな」と思っていましたが、実際に窓口に行ったら30〜40分で全部終わりました。一番大事なのは、退職前に保険料の比較をしておくことと、期限を把握して放置しないことだと思います。

次のアクションとしては、まず「今の勤務先の健保組合に任意継続の保険料を問い合わせること」と「市区町村の公式サイトで国保の概算シミュレーションを確認すること」の2つをやってみてください。これが決まれば、あとは手順通りに動くだけです。

この記事を書いた人 タケPM

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新卒でSIerに入社後、Web系企業への転職を経て、現在はフリーランスのプロジェクトマネージャーとして複数の案件を掛け持ちしています。リモートワーク歴は5年以上。転職・フリーランス転向・リモートワークと、自分が経験してきたことをそのまま書いています。きれいに整理された情報より、泥臭いリアルを優先して発信するのがモットーです。

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