「もう少し単価を上げたいけど、どう交渉すればいいのかわからない」——そう感じているフリーランスの方、けっこう多いんじゃないかと思います。この記事では、ぼくが実際にやって単価を上げられた方法を7ステップで解説します。交渉の言い回しから、そもそもの準備まで、具体的に書いてみました。
・まず自分の市場価値を数字で把握することが出発点
・交渉なしに単価は上がらない。タイミングと言い方がかなり大事
・単価が上がらないなら、クライアントや案件を変えることも選択肢のひとつ
・ぼく自身は独立3年目でようやく月50万超を達成した
タケPM
SIerからフリーランスPMへ転身。リモートワーク・転職・副業のリアルな話を体験ベースで発信しています。
そもそも、フリーランスの単価ってどうやって決まるの?
まずここを整理しておかないと、「何をどう変えれば単価が上がるか」がぼんやりしたままになります。単価の仕組みを知っておくだけで、交渉の方向性がかなり変わるんです。
フリーランスの単価は、大きく分けると次の3つで決まると思っています。
- スキルの希少性(その仕事ができる人が市場に何人いるか)
- 実績・信頼(過去に何をやったか、証明できるか)
- 交渉力(いくらで受けるかを自分で決められるか)
正直、フリーランスになりたての頃のぼくは「スキルさえ上げれば単価は自然に上がる」と思っていました。でも、スキルがあっても交渉しなければ単価は上がりません。これ、意外と大事で、多くの人が見落としているポイントだと思います。
また、市場価値(自分のスキルや経験が市場でどれくらい評価されるか)を客観的に把握することが、単価交渉の土台になります。「自分はこのくらいもらっていいはず」という感覚ではなく、「市場相場はこのくらいで、ぼくの実績なら上振れできる」という根拠が必要です。
ステップ1:まず自分の市場価値を調べる
単価を上げたいなら、まず「自分の今の相場がどのくらいか」を知ることが出発点です。感覚でなく、数字で把握しておくと交渉のときに迷いがなくなります。
実際にやってみた話をします。ぼくが単価交渉を初めて成功させたのは独立2年目のことですが、その前にレバテックフリーランスやPE-BANKといったフリーランスエージェントに「今の自分だったら何円くらいの案件を紹介できますか?」と問い合わせてみました。
これ、無料で相談できるんですが、エージェントに聞くだけで市場相場の目線合わせができます。自分が今受けている単価が相場より低いのか、適正なのか、客観的にわかるのでかなりおすすめです。
他にも、クラウドソーシングのサービス(クラウドワークスやランサーズ)で似た条件の案件を検索して単価感を調べる方法も有効です。ただ、クラウドソーシングは全体的に単価が低めなので、あくまで「下限の目安」として見るのがいいと思います。
ステップ2:「実績」を可視化する
単価交渉でいちばん説得力を持つのは「実績」です。でも、実績って意外と「ちゃんと見せる形」になっていない人が多い。ここを整えるだけで印象がかなり変わります。
ぼくが実際にやったのは、ポートフォリオ(自分がこれまでどんな仕事をしてきたかをまとめた資料や、Webページ)の作成です。PMという職種はコードを書いたりデザインを作ったりするわけじゃないので、「実績をどう見せるか」に最初はかなり悩みました。
で、結論から言うと、以下の4点を数字で書くようにしたら、クライアントからの反応が変わりました。
- 関わったプロジェクトの規模(人数・期間・予算感)
- 成果の数字(リリース遅延ゼロ、コスト削減〇%など)
- 担当した役割と自分が意思決定したこと
- 使ったツールや手法(アジャイル、スクラムなど)
特に「成果の数字」は大事で、「うまくいきました」より「納期遅延を0件に抑えました」のほうが、クライアントにとって価値が伝わりやすいです。数字で語れる実績を1つ作るだけで、交渉の土台がグッと強くなります。
ステップ3:スキルを「希少な組み合わせ」にする
「スキルを上げれば単価が上がる」は半分正しくて半分違います。大事なのは「上げ方」で、単純に「もっと詳しくなる」だけでなく、組み合わせで希少性を作ることが効果的です。
たとえばぼくの場合、PMとしてのスキルだけでなく、上流工程の要件定義(お客さんが本当にやりたいことを整理して、システムの仕様に落とす作業)と「エンジニアとの会話ができる技術的な素養」を組み合わせています。PMって山ほどいるんですが、「技術もわかって、ビジネス側とも話せる」となると、とたんに希少になる。
ここで考えてほしいのは、自分のスキルAとスキルBを掛け算したら何になるか、です。エンジニア×英語、デザイン×マーケティングなど、組み合わせ次第で「その人にしかできないポジション」が生まれます。
ステップ4:単価交渉のタイミングと言い方
これが一番リアルに役に立つ話だと思います。スキルも実績も整えたのに「交渉の仕方がわからない」という人が本当に多い。ぼくも最初は怖くてずっと言い出せなかったので、気持ちはすごくわかります。
交渉に適したタイミング
闇雲に「上げてください」と言っても通りません。タイミングを選ぶだけで交渉の成功率がかなり変わります。具体的には以下のときが狙い目です。
- プロジェクトが一区切りついて、成果を出せたとき
- 契約更新の1〜2ヶ月前(更新のタイミングが一番動かしやすい)
- クライアントから「次もお願いしたい」と言われたとき
- 自分のスコープ(担当範囲)が増えたとき
言い方のコツ
正直、ぼくが最初にやった交渉は「もう少し上げていただくことはできますか?」という、根拠ゼロのお願いでした。当然、通りませんでした。
今はこういう言い方をしています。
ポイントは3つ。①成果の実績を示す、②市場相場という客観的根拠を出す、③具体的な金額を先に言う。
具体的な数字を先に言うことが大事です。「少し上げてほしい」だと相手に金額の決定権を渡してしまいます。自分から数字を出すことで、その数字を基準に交渉が進みます。
ステップ5:単価が上がらないクライアントとは距離を置く
交渉をしても単価が上がらない場合、そのクライアントとの関係をどう考えるかが次の問題です。これ、正直けっこう大事な判断だと思っています。
ぼくも独立1年目は「仕事を切るのが怖い」という気持ちがあって、単価が低いクライアントとずっと付き合い続けていました。結果として、低単価の仕事で稼働を埋めてしまうと、高単価の案件を取りにいく時間も余力もなくなります。
具体的にやったこと:低単価のクライアントを1社手放すと同時に、エージェント経由で新しい案件に入りました。単価は前の案件の1.4倍でした。「手放す」という判断が、結果的に単価アップにつながった例です。
もちろん、いきなり切るのは怖いと思います。だから「次の案件を確保してから徐々にシフトする」という順番でいいと思います。焦って動く必要はないけど、低単価のクライアントを抱えたまま何年も過ごすのはもったいないです。
ステップ6:エージェントと複数チャンネルを使い分ける
単価を上げるための「案件の取り方」も大事です。どこから案件を取るかによって、単価の上限がかなり変わります。
チャンネル別の単価感
- クラウドソーシング:競争が激しく単価は低め。初期の実績作りには使える
- フリーランスエージェント:中〜高単価案件が多い。マージンはかかるが安定感がある
- 直接契約(リファラル):マージンなし・単価が高い。ただし信頼関係が前提
- SNS経由:X(旧Twitter)やLinkedInで声がかかるケース。ブランディングが必要
ぼくが月50万超の案件を初めて受注できたのは、フリーランスエージェント経由でした。あの日、妻と2人でコンビニのスパークリングワインで乾杯したんですが、ちょっとテンション上がりました。正直、「これが独立の意味か」と思いましたね。
エージェントへの登録は無料でできて、専任のコーディネーターが案件を紹介してくれるサービスです。レバテックフリーランスはIT・Web系のフリーランス案件が豊富で、ぼく自身も利用したことがあります。
また、長期的に単価を上げていくなら直接契約の比率を増やしていくことが理想だと思います。エージェントのマージン分がそのまま自分の収入に乗ってくるので、同じ仕事量でも手取りが変わります。
ステップ7:発信して「呼ばれる人」になる
最終的に単価が高い状態を「維持できる人」は、自分から仕事を取りにいくだけでなく、声をかけてもらえる状態になっている人が多いと思います。これが中長期で一番効いてくる方法です。
実際にやってみた話をします。ぼくはX(旧Twitter)で週に数回、PMとしての仕事術やプロジェクト管理の考え方を発信するようにしました。フォロワーは多くないんですが、それでも「読んでいます」と言ってくれる人が出てきて、そこから案件の相談が来たことがあります。
発信することで「この人は何ができる人か」が可視化されます。それが名刺代わりになって、声をかけてもらいやすくなります。最初は反応がなくて当然です。ぼくも最初の3ヶ月はほぼ誰にも読まれていませんでした。
発信の形式は何でもいいと思います。
- X(旧Twitter)での日々のつぶやき・知見共有
- ブログやnoteでの記事発信
- LinkedInでの職務経歴の公開と発信
- 勉強会・コミュニティへの参加と登壇
「完璧な発信」より「続けられる発信」のほうが大事です。ぼくは文章を書くのが得意じゃないので、最初は140文字のポストからはじめました。それでも積み重なると変わっていきます。
単価を上げようとして失敗した話も正直に書きます
きれいな成功談だけを書くのも違うと思うので、失敗した話も書いておきます。読者が「自分もできるか」を判断するうえで、失敗のパターンを知っておくのは大事だと思っています。
失敗1:実績が曖昧なまま交渉した
独立1年目に「もう1年働いたので上げてほしい」と言ったことがあります。根拠は「時間の経過」だけ。当然、断られました。年数ではなく「何をしたか・どんな成果が出たか」が根拠になります。
失敗2:他社の内定をちらつかせた
「他のところから声がかかっている」という言い方をしたことがあります。一時的に単価は上がりましたが、その後のクライアントとの関係がぎこちなくなりました。脅し型の交渉は短期では通っても、長期では関係を壊すリスクがあります。
失敗3:単価だけ見て案件を選んだ
単価が高い案件に飛びついたら、稼働時間が読めないプロジェクトで実質的な時給が下がりました。月額単価(月いくらかの報酬)だけでなく、稼働時間の上限や工数の見積もりも確認することが大事です。
まとめ:単価を上げるために今日できること
7ステップを振り返ると、やることはシンプルです。準備→交渉→環境を変える、この順番で少しずつ動いていけば、単価は上げていけると思います。
- 自分の市場価値をエージェントに聞いて把握する
- 実績を数字で可視化したポートフォリオを作る
- スキルの掛け算で希少性を高める方向を考える
- 契約更新のタイミングで根拠を持って交渉する
- 低単価のクライアントとは徐々に距離を置く
- エージェントや直接契約など複数チャンネルを使う
- 発信して「声をかけてもらえる人」を目指す
で、結論から言うと、単価交渉は「やってみると意外と怖くない」です。最初の一回が一番ハードルが高いので、まずは今のクライアントに「市場価値の確認」だけでもしてみるといいと思います。今日からできることとして、まずはフリーランスエージェントに登録して、自分の相場を聞いてみることをおすすめします。

