「フリーランスと会社員、結局どっちがいいんだろう」——そう悩んで検索してきた方、まさに数年前の自分と同じです。この記事では、実際にフリーランスへ転向して3年経験した視点から、収入・自由度・安定性をリアルな数字で比べながら、あなたがどちらに向いているかを判断できる基準を正直にお伝えします。
・フリーランスは収入の上限が高いが、安定するまでに最低6〜12ヶ月かかる現実がある
・会社員は安定・福利厚生が強みだが、収入の伸びしろに限界を感じやすい
・どちらが正解かは「リスク許容度」と「今の手取りスキル」で決まる
・独立を考えるなら、会社員のうちに副業で月5万円稼げるか試すのが最短ルート
タケPM
SIerからフリーランスPMへ転身。リモートワーク・転職・副業のリアルな話を体験ベースで発信しています。
そもそも「フリーランス vs 会社員」の違いを整理しよう
比較する前に、まず両者の基本的な違いを押さえておきましょう。ここを曖昧にしたまま議論すると、ズレた判断をしてしまいます。
フリーランスとは、特定の会社に雇用されず、複数のクライアントから仕事を受けて報酬を得る働き方です。個人事業主として自分で確定申告を行い、収入も支出もすべて自己管理します。
一方、会社員は企業と雇用契約を結び、毎月決まった給与をもらいながら働く形態です。社会保険や厚生年金は会社が半分負担してくれますし、有給休暇や育児休業といった制度も整っています。
最大の違いは「収入の安定性」と「自分で稼ぐ責任の有無」。会社員は守られる代わりに収入の天井があり、フリーランスは自由な代わりに全リスクを自分が負う。
収入の現実:数字で見るとどちらが稼げるか
「フリーランスのほうが稼げる」とよく言われますが、それは条件付きの話です。実態を数字で見てみましょう。
会社員の平均収入
国税庁の調査によると、日本の会社員の平均年収はおよそ460万円前後です。業種・年齢・会社規模によって大きく異なりますが、20代後半〜30代前半で350〜450万円程度が一般的なラインです。昇給は毎年数千円〜数万円のペースで、大きな跳ね上がりは昇進がないと難しいのが現実です。
フリーランスの収入分布(正直に言います)
フリーランスの収入は二極化しています。私が独立した1年目の月収は最低で18万円、平均で28万円ほどでした。会社員時代の手取り(約27万円)とほぼ同水準ですが、そこから国民健康保険・国民年金・所得税を自分で払うと、手元に残るのは22〜23万円程度。正直、最初の半年は会社員時代より生活が苦しかったです。
ただし、スキルと営業力が噛み合ってきた2〜3年目からは月収50〜70万円に到達しました。年収ベースだと700〜800万円台に乗れたのは独立から約2年後のことです。
フリーランスは「最初が一番きつい」という言葉は本当です。独立後6ヶ月〜1年は会社員時代より収入が下がることを前提に、生活費6ヶ月分の貯金を用意してから独立するのが鉄則です。
見落としがちな「社会保険のコスト差」
フリーランスになると、国民健康保険(会社員の健康保険に相当)と国民年金をすべて自己負担します。会社員時代は保険料の半分を会社が払ってくれていたため、独立するとこの分だけで年間30〜60万円ほどコストが増えます。月収が同じでも、手取りは確実に減ると理解しておきましょう。
自由度の比較:「自分の時間」は本当に増えるのか
「フリーランスは自由」というイメージに憧れる方は多いですが、自由の中身をきちんと確認しておく必要があります。
フリーランスの「自由」が意味すること
フリーランスになって実感した自由は主に3つです。
- 仕事をする時間・場所を自分で決められる(カフェでも自宅でも海外でも)
- 嫌なクライアントや案件を断れる(会社員は上司や部署を選べない)
- スキルアップや副業に時間を使える
一方で、「自由」とは「すべてが自己責任」と表裏一体でもあります。営業・経理・契約交渉・スキルアップ——これらを全部自分でやらないといけない。独立して最初の3ヶ月は、会社員時代より明らかに「仕事に追われている感」が強かったです。
会社員の「制約」が意外とメリットになる場面
会社員は「言われた通りやればいい」という側面があり、精神的な余白が生まれやすいです。就業後は仕事のことを完全に切り離せる人も多く、オンとオフの切り替えが明確にできるのは会社員の隠れたメリットです。フリーランスは収入が不安定な時期、休日でも「仕事しなくていいのか」と焦りやすいです。
安定性の比較:リスクの正体を知っておく
「フリーランスは不安定」「会社員は安定」という固定観念、本当にそうでしょうか?両方のリスクを正直に並べてみます。
フリーランスの「本当のリスク」3つ
- 収入がゼロになる可能性がある(案件が急にキャンセル、体調不良で働けないなど)
- ローンや賃貸契約の審査が通りにくい(収入証明が不安定に見られる)
- 老後の年金が会社員より少ない(厚生年金がないため)
特に体調不良は盲点でした。会社員なら有給で休めますが、フリーランスは働けない日は1円も入らないのが基本です。病気で2週間寝込んだ際、精神的なダメージは想像以上でした。
会社員の「見えにくいリスク」
一方、会社員も完全には安全ではありません。
- 会社が倒産・リストラになれば一気に収入がゼロに
- スキルが社内でしか通用しない「社内専用人材」になるリスク
- 給与は会社に決められ、頑張りが収入に直結しにくい
「安定しているから大丈夫」と思考停止していると、スキルが止まり、いざ転職・独立しようとしても市場価値がない状態になっている、というのも会社員の隠れたリスクです。
「あなたはどっちに向いているか」を判断する5つの質問
フリーランスか会社員か、正解は人によって違います。以下の5つの質問に正直に答えてみてください。
- 今の仕事で「個人でも売れる」スキルがあるか(Webデザイン・ライティング・エンジニアリングなど)
- 生活費6ヶ月分以上の貯金があるか
- 収入がゼロになっても半年は耐えられるメンタルがあるか
- 自分で営業・スケジュール管理・経理ができるか(または学ぶ気があるか)
- 副業で月3万〜5万円以上、すでに稼いだ経験があるか
4〜5個当てはまるなら、フリーランスへの挑戦は現実的です。2〜3個なら、まず副業から始めながら条件を整えましょう。1個以下なら、今すぐ独立するのは時期尚早かもしれません。
「フリーランスになりたい気持ち」と「フリーランスでやっていける状態」は別物です。気持ちだけで飛び込むと、最初の6ヶ月で資金が底をついて会社員に戻るケースが非常に多いです。
独立前に会社員のうちにやっておくべきこと
フリーランスを目指すなら、会社員のうちに準備を進めるのが圧倒的に有利です。私自身が「もっと早くやればよかった」と思ったことをまとめました。
①副業で月5万円を稼ぐ経験を積む
フリーランスで最も難しいのは「最初の案件を取ること」です。会社員のうちにクラウドソーシング(ランサーズ・クラウドワークスなど)を使って小さな案件をこなし、実績を作っておくと独立後の立ち上がりが格段に早くなります。月5万円稼げるようになれば、フリーランスとして軌道に乗れる可能性が高いです。
②会計・確定申告の基礎を学んでおく
独立すると税務処理はすべて自分の責任です。freeeやマネーフォワード クラウド確定申告といった会計ソフトを使えば難易度はぐっと下がりますが、仕組みを全く知らないまま独立すると「何を経費にしていいかわからない」「消費税の仕組みがわからない」といった問題が起きます。
③フリーランスエージェントに登録して単価感を確認する
独立前にフリーランスエージェントに登録しておくと、自分のスキルがどのくらいの単価で評価されるかが事前にわかります。「月60万円の案件があります」と言われれば自信になりますし、「今は30万円が上限」とわかれば準備を続ける指標になります。
フリーランス3年で気づいた「会社員に戻りたくなる瞬間」
フリーランスを美化しすぎないために、正直に書いておきます。独立してよかったと思いながらも、会社員に戻りたくなった瞬間は何度かありました。
- インフルエンザで1週間寝込んだとき(収入がゼロで焦りと罪悪感が同時に来た)
- 大手クライアントから突然「来月から契約終了」と言われた月(売上が40%消えた)
- 確定申告で想定外の税額が来て、資金繰りが一時的に苦しくなったとき
- 友人の結婚式で「仕事は?」と聞かれ、説明が面倒になったとき(精神的な話ですが)
それでも戻らなかった理由は、「自分のスキルで稼いでいる感覚」と「収入を自分でコントロールできる手応え」が、それらの不安を上回っていたからです。この感覚が合う人・合わない人で、フリーランス向きかどうかははっきり分かれます。
まとめ:フリーランスと会社員、あなたはどっちを選ぶ?
この記事で伝えたかったことを最後に整理します。
- フリーランスは収入の上限が高いが、安定するまでに最低1年はかかると覚悟が必要
- 会社員は安定・福利厚生が強みで、精神的な余白がある反面、収入の伸びに限界を感じやすい
- どちらが正解かは「今のスキル」「貯金額」「リスク許容度」の3つで決まる
- いきなり独立するより、副業で月5万円稼ぐ経験を積んでからのほうが失敗が少ない
- フリーランスを目指すなら、会計ソフトやエージェント登録など準備を今すぐ始めるべき
「どっちがいいか」の答えは、あなたの状況によって変わります。でも、「迷っているうちは会社員のまま副業で試してみる」が、最もリスクが低くて合理的な第一歩です。まずはクラウドソーシングに登録して、1件だけ案件に応募してみましょう。その小さな行動が、数年後の働き方を大きく変えるきっかけになります。

