フリーランスが複数案件を掛け持ちするやり方【5ステップ】

「案件を掛け持ちしたいけど、どうやって回せばいいのかわからない」——そう思っているフリーランスの方、多いと思います。ぼく自身、フリーランス1年目に同じ悩みで頭を抱えていました。この記事を読むと、複数案件の掛け持ちを始めるやり方と、実際に回していくための管理方法がわかります。

本記事の要約
・掛け持ちは「稼働時間の上限」を先に決めてから案件を取る順番が大事
・最初は2案件から始めて、徐々に増やすのが安全
・スケジュール管理ツールと週次レビューがないと破綻しやすい
・クライアントへの透明性(他案件があることの開示)が長期信頼につながる
・掛け持ちは収入の安定化と単価アップの両方に効く
タケPM
この記事を書いた人

タケPM

SIerからフリーランスPMへ転身。リモートワーク・転職・副業のリアルな話を体験ベースで発信しています。

フリーランスが複数案件を掛け持ちするとはどういう状態か

まず「掛け持ち」の定義を整理しておきます。ここを曖昧にすると、後で管理の設計がズレてくるので。

複数案件の掛け持ちとは、同時期に2社以上のクライアントと契約して稼働している状態のことです。会社員で言う「副業」に近いイメージですが、フリーランスの場合はそれが本業の収入源になります。

ぼくの場合、現在は3〜4案件を同時に抱えています。内訳はこんな感じです。

  • 週3〜4日稼働のメイン案件(月単価30〜40万円)
  • 週1〜2日稼働のサブ案件①(月単価10〜15万円)
  • 週1日以下のスポット案件②(月単価5〜8万円)
  • 不定期の顧問・相談系(月数万円)

合計で月60〜70万円前後になる月が多いです。大事なのは「合計稼働時間が週40時間を超えない」ように設計していることで、これを超えると品質が落ちて結果的に案件を失います。実際に1回やらかしてます(後述します)。

掛け持ちが向いている職種・向いていない職種

正直、職種によって掛け持ちのしやすさはかなり違います。

  • 向いている:PM・ディレクター・デザイナー・ライター・コンサル・マーケター
  • どちらでもない:エンジニア(要件次第で分かれる)
  • 難しい:常駐必須・長時間拘束・レスポンス速度を求められる案件が主な場合

PMやディレクターは「時間管理」が仕事の一部なので、掛け持ちと相性が良いと感じます。エンジニアは案件の性質によって大きく変わる印象です。

掛け持ちを始める前にやるべきこと3つ

ここが一番重要かもしれません。準備なしに案件を増やすと、ぼくみたいに失敗します。順番に説明します。

① 自分の「稼働可能時間」の上限を決める

最初にやること、これだけです。「週に何時間働けるか」を先に決めてください。

ぼくは週40時間を上限にしています。子どもが小学生なので、夕方以降はなるべく仕事を入れないようにしていて、実質平日の9〜17時がコアタイムです。この枠を超えないように案件を積み上げていく、という考え方で動いています。

ポイント
稼働時間の上限を決めずに案件を取ると、後から「断れない状況」になります。先に枠を決めておくと、新しい案件が来たときに冷静に判断できます。

② 既存契約の「競業避止義務」を確認する

競業避止義務とは、契約しているクライアントと同業種・競合他社の仕事を受けてはいけない、という制限のことです。フリーランス契約書にこの条項が入っていることがあります。

掛け持ちを始める前に、今の契約書を読み返してください。これを怠ると、後でトラブルになります。ぼくが最初にフリーランスになったときの契約書には、けっこうガッチリした競業避止の条項が入っていて、最初は掛け持ちができなかった経験があります。

注意
競業避止義務の範囲は契約書によって異なります。「同業他社との取引禁止」なのか「類似業務の禁止」なのかで大きく変わります。不明な場合はクライアントに確認するか、フリーランス向けの法律相談を使うのが安全です。

③ 請求・税務の準備を整える

案件が増えると、請求書の発行や確定申告の作業量が増えます。1案件のときは何となくやれていた管理が、3案件になると一気にしんどくなります。

ぼくはfreee会計を使っています。複数クライアントへの請求書管理と確定申告がひとつのツールで完結するので、掛け持ちが増えてからは特にありがたみを感じています。案件を増やす前にツールを整えておくと、後で慌てなくて済みます。

複数案件を掛け持ちするやり方【5ステップ】

で、結論から言うと、ぼくが実際にやってきたやり方を5ステップで説明します。いきなりフルで回そうとせず、段階的に増やすのがコツです。

STEP 1:まず2案件で「掛け持ちの感覚」をつかむ

最初から3案件・4案件を狙わないでください。2案件の掛け持ちで「自分がどこまで回せるか」を確認するのが最初のステップです。

具体的には、メイン案件(週3〜4日)+サブ案件(週1〜2日)の構成がスタートとして安定しています。サブ案件は最初、単価より「稼働コントロールがしやすいか」を優先して選ぶと失敗が少ないです。

2案件を2〜3ヶ月回してみて「余裕がある」と感じたら、初めて3案件目を検討するタイミングです。余裕がないなら案件を増やさず、単価交渉を先に検討しましょう。

STEP 2:案件ごとに「稼働日・稼働時間」を明確にクライアントと合意する

これ、意外と大事で、ぼくが最初にサボって失敗したところです。

掛け持ちをしているフリーランスにとって、「何曜日の何時から稼働できるか」は超重要な情報です。でも最初のころ、この合意をあいまいにしたまま契約してしまい、2社から同じ日に大量のタスクが降ってきて詰まりました。

契約時に以下を必ず決めておくことをおすすめします。

  • 週に何日・何時間稼働するか
  • 稼働できる曜日・コアタイム(例:月水金の10〜17時)
  • レスポンスの目安時間(例:当日17時までに返信)
  • 緊急対応が必要な場合のルール

STEP 3:週単位でスケジュールを「見える化」する

複数案件を同時に動かすと、タスクが混在してカオスになります。ぼくが一番効果を感じたのが「週ごとのスケジュール一覧をカレンダーに落とす」作業です。

ぼくはGoogleカレンダーを使っていて、案件ごとにカレンダーの色を分けています。月曜の朝15分で1週間の稼働を整理して、どの案件にどれだけ時間を使うかを決めてから動き出す、というルーティンです。

「今日はどの案件に集中するか」を朝に決めておくだけで、切り替えのムダが大幅に減ります。これをやらないと、1日中どの案件も中途半端になりがちです。

STEP 4:タスク管理ツールで案件横断の「やること」を一元管理する

各案件のタスクが頭の中だけにある状態は危険です。忘れます。ぼくはNotionでシンプルなタスクボードを作って、全案件のタスクを1か所で管理しています。

Notionが合わない方はTodoistでも十分です。大事なのはツールの種類より「全案件のタスクが1か所で見渡せる状態」にすること。

ぼくのNotionボードの列はシンプルに3つです。

  • 今週やること(案件名・期限・所要時間を記載)
  • 来週以降にやること
  • 完了

これだけで十分です。複雑にしすぎると管理自体が仕事になってしまうので、シンプルを維持するのが大事だと思います。

STEP 5:週1回「振り返り15分」で軌道修正する

実際にやってみた話をします。ぼくは毎週金曜の夕方に15分、その週の稼働を振り返る時間を取っています。確認することはシンプルです。

  • 各案件の稼働時間は予定通りだったか
  • 来週に持ち越すタスクはあるか
  • クライアントからの懸念・フィードバックはあったか
  • 自分の余裕度は何割くらいか(感覚でOK)

この15分を毎週続けるだけで、「気づいたら詰まっていた」という状況をかなり防げます。掛け持ちで失敗する人の多くは、問題に気づくのが遅れるパターンです。

掛け持ちで実際に失敗した話と、立て直し方

正直、失敗談も書いておかないとフェアじゃないので書きます。

フリーランス2年目のころ、案件を4つ同時に受けてしまったことがあります。月収が一気に上がってちょっとテンション上がりました。ただ、そのうち1案件がフェーズの山場を迎えて、想定の2倍近い稼働が必要になりました。

結果、別の案件のレスポンスが遅くなり、クライアントからクレームをもらいました。最終的にその案件は契約を打ち切られました。収入は増えるどころか減りました。

そこから学んだ立て直し方は3つです。

  • 稼働が増える「山場」のフェーズは、事前にクライアントに共有して他案件の稼働を一時的に減らす交渉をする
  • 案件を取る前に「最大稼働が発生した場合でも週40時間に収まるか」を必ず試算する
  • スポット的に稼働が増えそうな案件は、そもそも受けない判断も大事

注意
掛け持ち案件が増えるほど「1案件の遅延が全体に波及するリスク」も上がります。余裕時間のバッファ(週5〜8時間程度)を常に確保しておくのが安全です。

クライアントへの「掛け持ち」の伝え方と信頼の作り方

「他にも案件を掛け持ちしているって言っていいの?」という悩みをよく聞きます。ぼくの答えは「言った方がいい」です。

理由はシンプルで、隠して後から知られる方が信頼を失うからです。ぼくは契約前の面談で「複数案件を並行して動かすスタイルで仕事をしています。その分、稼働時間と対応範囲を明確にしてお互いが気持ちよく動ける状態を作るのを大事にしています」と伝えるようにしています。

これを言うと「ちゃんと管理できる人だ」と評価されることが多いです。むしろ、フリーランスに専属を求めるクライアントは、そもそも掛け持ち前提のフリーランスとは相性が悪いので、最初にわかった方がお互いにとっていいです。

案件を増やすための探し方:どこで見つけるか

掛け持ちをしたくても、そもそも案件がないと始まりません。ぼくが実際に使っている・使ってきたルートを紹介します。

ルート① フリーランスエージェント

リモート案件の掛け持ちを狙うなら、フリーランスエージェントの活用が最も安定しています。エージェントは複数登録しておくと、同時に複数の案件を紹介してもらえます。

ぼくが使ったことがあるのは以下です。

ルート② SNS・紹介

正直、ぼくのサブ案件の多くは「知人からの紹介」です。X(旧Twitter)やLinkedInで日ごろから発信・交流しておくと、案件の話が来ることがあります。エージェントより手数料がない分、単価も交渉しやすいです。

ルート③ クラウドソーシング(スポット案件向け)

クラウドワークスランサーズは、単発・スポット案件を探すのに向いています。月単価は低めですが、稼働時間が読みやすいので掛け持ちの「隙間を埋める」案件として使うのがおすすめです。

掛け持ちで陥りやすい失敗パターンと対策まとめ

最後に、よくある失敗パターンをまとめておきます。ぼくが経験したものと、フリーランス仲間から聞いたものです。

  • 【失敗①】稼働時間の上限なしに案件を取り続けて体が壊れる → 週の上限時間を先に設定する
  • 【失敗②】どの案件も「最優先」になってしまい全部中途半端になる → 案件ごとの優先順位とコアタイムを事前に決める
  • 【失敗③】請求書・確定申告の管理が追いつかなくなる → 会計ソフトを早めに導入する
  • 【失敗④】スポット案件の稼働が思ったより多くてメイン案件が圧迫される → スポット案件は稼働上限を契約に明記する
  • 【失敗⑤】「なんとなく忙しい」が続いて収入が上がっていない → 月ごとに稼働時間と収入の対比を確認する

掛け持ちの目的は「時間を切り売りして収入を増やす」ではなく「収入の安定化と単価の底上げ」です。ここを間違えると、忙しいだけで豊かにならないフリーランスになってしまいます。これ、意外と大事で、定期的に自分の状態を確認する習慣が必要だと思います。

まとめ:フリーランスの複数案件掛け持ちやり方【5ステップ】

長くなりましたが、ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に要点をまとめます。

  • 掛け持ちは「週の稼働上限を先に決める」ことからスタートする
  • 最初は2案件(メイン+サブ)で感覚をつかんでから増やす
  • 案件ごとに稼働日・稼働時間をクライアントと明確に合意しておく
  • 週1回15分の振り返りで早めに問題に気づく習慣をつける
  • 掛け持ちはクライアントに隠さず、管理できることを伝えた方が信頼される

ぼく自身、フリーランス1年目は1案件だけで手いっぱいでした。それが今は4案件を回せるようになったのは、ステップを踏んで少しずつ増やしてきたからだと思います。最初の2案件目を取ることが一番のハードルなので、まずはフリーランスエージェントに登録して、週1〜2日の案件を探してみるところから始めてみてください。

この記事を書いた人 タケPM

タケPM

新卒でSIerに入社後、Web系企業への転職を経て、現在はフリーランスのプロジェクトマネージャーとして複数の案件を掛け持ちしています。リモートワーク歴は5年以上。転職・フリーランス転向・リモートワークと、自分が経験してきたことをそのまま書いています。きれいに整理された情報より、泥臭いリアルを優先して発信するのがモットーです。

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