「お前、マネージャーに向いてないんじゃないか」——そう言われた瞬間、頭が真っ白になりませんでしたか?ぼくも30代前半にまったく同じことを言われて、しばらく立ち直れませんでした。この記事では、その言葉をどう受け止めて、次にどう動くべきかを、5つのステップで整理してみます。
・言った相手・文脈・タイミングによって意味がまるで変わります
・今すぐできる対処法は5つあって、転職はそのうちの一択にすぎません
・向いてないと言われた経験がキャリアを変えるきっかけになることも、正直よくあります
タケPM
SIerからフリーランスPMへ転身。リモートワーク・転職・副業のリアルな話を体験ベースで発信しています。
「向いてない」と言われた言葉の重さを、まず正しく測る
最初にこれだけ読んでください。この章を読むと、言われた言葉をパニックなく受け止められるようになります。
正直、ぼくが「お前はPMに向いてない」と言われたのは、SIerで働いていた32歳のころです。当時の上司に、あるプロジェクトの振り返りのタイミングでさらっと言われました。で、結論から言うと——その言葉をそのまま受け取るのは、ちょっと待った方がいいです。
「向いてない」という言葉は、発した人・状況・タイミングによって意味がぜんぜん違います。たとえば——
- 感情的になった上司が思わず言ってしまった一言(本心とは限らない)
- 「今のスキルセットでは足りない」という意味の、改善を促す言葉
- 組織の都合(ポジション削減など)を個人の資質にすり替えた言葉
- 本当に、その人のマネジメントスタイルが現職の文化に合っていないという指摘
4つ目だけが「向き不向き」の話であって、残り3つはそもそも別の問題です。「向いてない」という言葉の正体を見極めるのが、最初の対処です。感情が先に動くと、ここをすっ飛ばして「もうやめよう」か「絶対見返す」の二択になりがちで——どっちも少し危ないと思います。
誰に言われたか・なぜ言われたかを冷静に分析する
ここが対処の核心です。「誰が・なぜ言ったか」を整理するだけで、次の行動がかなり絞り込まれます。
ぼくが使っているのは、シンプルな3つの問いです。実際にやってみた話をします。当時ぼくはこれを頭の中で整理しないまま半年ぐらい過ごしてしまって、それがちょっと遠回りだったなと思っています。
問い①:言った相手は「マネジメントを評価できる立場」か?
技術的な専門家として優秀でも、マネジメントの何たるかを理解していない上司は意外と多いです。「数字を上げろ」「メンバーを管理しろ」という昭和型マネジメントしか知らない人の「向いてない」は、「自分のやり方と違う」という意味である可能性が高いです。
問い②:具体的にどんな行動・場面を指摘されたか?
「向いてない」という総論ではなく、「あの会議での進行が」「メンバーへのフィードバックが」という具体の話が出てきたなら、それはむしろ改善できる話です。抽象的なまま終わった場合は、感情的な発言か、言語化できていない不満の可能性が高いと思います。
問い③:同じ意見を持っている人は他にもいるか?
1人だけの意見か、複数の人が同じことを思っているかで、重みがまったく違います。信頼できる同僚や、以前の職場のマネージャーに聞いてみるのが一番早いです。ぼくはこれを怠って、1人の上司の言葉を「みんながそう思っている」と誤解していた時期があります。
今すぐできる対処法を5つ、順番に整理します
ここからが実践編です。「言われた後に何をすればいいか」を具体的に書きます。5つ全部やる必要はなくて、自分の状況に合うものを選んでもらえれば十分だと思います。
対処法① 指摘された内容を紙に書き出す
これ、意外と大事で。頭の中だけで考えていると、感情と事実が混ざります。「何を言われたか」「それは具体的にどの行動か」「それは改善できるか」の3列で書き出すと、頭が整理されます。ぼく自身、モヤモヤしているときはだいたいこれをやります。
対処法② 信頼できる第三者に話を聞いてもらう
同じ職場の人よりも、社外の元同僚や友人に話すのがおすすめです。利害関係がない分、フラットな意見が返ってきます。「その上司おかしいよ」で終わるだけでも、少し楽になることがありますし、逆に「それは確かに気をつけた方がいいかも」という気づきになることもあります。
対処法③ マネジメントについてインプットを増やす
正直、マネジメントって学校で習わないじゃないですか。「向いてない」と言われる人の多くは、スキルが足りないというよりマネジメントの型を知らないだけのケースが多い気がします。
ぼくが実際に読んで参考になったのは、1on1の進め方やフィードバックの技術系の本でした。読んだ後に「あ、ぼくが苦手だったのはスキルの話で、向き不向きじゃなかったんだ」と気づけたのは大きかったです。
対処法④ 上司に「具体的にどう改善すればいいか」を聞く
これ、勇気がいります。でも、やってみると意外と有益な会話になることがあります。「向いてない」とだけ言って具体策を出せない上司なら、その言葉自体の信頼性が低いということが確認できます。逆に具体的なフィードバックが返ってきたなら、改善の余地があるということです。
聞くときの言い方は「改善したいので教えていただけますか」が無難です。反論や言い訳に聞こえないよう、「聴きにいく姿勢」を前面に出すのがポイントだと思います。
対処法⑤ 今の職場で改善できないなら、環境を変えることも選択肢に入れる
で、結論から言うと——環境が変わると「向いてない」が「向いている」に逆転することは、実際によくあります。ぼく自身がそうでした。SIerでは「向いてない」と言われたPMの仕事が、Webベンチャーではわりと評価されて、フリーランスになった今は案件も継続していただけています。
「向いてない」という評価は、あなた個人の問題ではなくその職場・その文化との相性の話であることが多いです。転職を検討する際は、転職エージェントに相談してみると、自分のスキルや経験を客観的に整理しやすくなります。
転職を考え始めたなら、エージェントの使い方にも注意が必要です
転職を選択肢として考え始めた方へ、これは正直に書いておきたいです。使い方を間違えると時間を無駄にすることがあります。
ぼくが転職活動をしたときに使ったのは2社のエージェントです。感想を正直に言うと、「担当者との相性」がエージェント選び以上に大事でした。同じサービスでも担当者によって全然違います。なので最初は1社に絞らず、2〜3社を並行して使ってみるのがおすすめです。
マネージャー経験がある方の転職なら、総合型のエージェントに加えて、管理職・ハイクラス向けのサービスも登録しておくと選択肢が広がりやすいです。
- まず総合型エージェント(dodaやリクルートエージェントなど)に登録して、市場価値を確認する
- 担当者から求人を紹介されたら、社風・マネジメント文化も必ず聞く(「どんなマネージャーが評価されますか?」と直接聞くのが有効)
- 「向いてないと言われた経験」はネガティブに話さず、「環境を変えて挑戦したい」という文脈で伝える
「向いてない」と言われた経験が、意外とキャリアの転機になる話
最後にちょっとだけ、ぼく自身の話をさせてください。
32歳のとき「PMに向いてない」と言われたあの言葉は、今でも頭の片隅にあります。消えるものじゃないんですよね。でもあの言葉がなければ、Webベンチャーへの転職も、その後のフリーランス独立も、たぶんなかったと思います。悔しさがエネルギーになることは、正直あります。
フリーランス1年目で月50万超の案件を初めて受注したとき、妻と2人でコンビニのスパークリングワインで乾杯しました。あの夜のことは一生忘れないと思います。あの夜があったのは、「向いてない」と言われたあの日があったからでもあります。
だから——「向いてない」と言われたことを、終わりにする必要はまったくないです。その言葉をどう使うかは、自分で決められます。
こんな人には転職をすすめる・すすめない(正直な基準)
読者の不安に正直に向き合うのがぼくのスタンスなので、ここはちゃんと書きます。「転職を勧める記事」にしたくないので、両方書きます。
転職を真剣に考えた方がいいと思う人
- 改善しようとしても、職場の文化や上司のスタイルが変わる気配がない
- 「向いてない」と言われる内容が、今の会社特有の話(古い慣習や非合理なルール)に集中している
- 他の職場では評価された経験があるのに、今の職場だけで否定されている
- 精神的にきつくなってきていて、改善のためのエネルギーが湧かない
転職より先にやることがあると思う人
- 具体的に「何が足りないか」を理解していなくて、感情的に動こうとしている
- 「向いてない」と言った上司の言葉に、実は具体的な改善ポイントが含まれていた
- マネジメントのスキルをまだほとんど学んでいない段階にある
- 転職先で同じことを繰り返す可能性に、自分でも薄々気づいている
まとめ:「向いてない」は終わりじゃなくて、分岐点です
この記事で伝えたかったことを、最後にまとめます。
- 「向いてない」という言葉は、事実確認なしに受け取ると判断を誤りやすい
- 誰が・なぜ・どんな文脈で言ったかを整理するのが、最初の対処法
- 今すぐできる対処法は5つあって、転職はそのひとつにすぎない
- 環境が変わると評価が逆転することは、実際によくある
- 転職を考えるなら、エージェント複数社に相談して市場価値を客観的に確認するのが先
次のアクションとして、まずは「言われた内容を紙に書き出す」だけでもやってみてください。それだけで、頭の中が少し整理されると思います。転職を考え始めたなら、dodaやリクルートエージェントに無料登録して、担当者と話してみるのが一番早いです。

