「30代でエンジニア転職って、もう遅いのかな」と思ったことがある人、けっこう多いと思います。ぼく自身、35歳でフリーランスに転向するまでに2回転職していて、そのたびに同じ不安を抱えていました。この記事では、30代エンジニアが転職で知っておくべきことを、体験ベースで7つにまとめてみます。
・年収アップを狙えるのはスキルと実績がセットのとき
・エージェントは複数使い比べるのが正解
・「転職しないほうがいい人」のパターンも正直に書いています
・後悔しないための準備を、ステップ形式で解説します
タケPM
SIerからフリーランスPMへ転身。リモートワーク・転職・副業のリアルな話を体験ベースで発信しています。
30代エンジニア転職の「現実」をまず整理します
「30代は転職市場で不利」という話、よく聞きますよね。でも実際のところ、エンジニアの30代転職は他の職種と比べてかなり有利な部分もあります。まずそこをちゃんと整理しておきたいと思います。
ぼくが大手SIerからWebベンチャーに転職したのは31歳のときです。当時「30代前半でも行けるか?」と正直めちゃくちゃ不安でした。で、結論から言うと、エンジニアの30代転職は、スキルと実績があれば普通に市場価値があります。むしろ、20代と比べて「即戦力として扱われやすい」という側面もありました。
ただ、闇雲に動いても失敗するのも事実で。そのへんのリアルを、この記事では7つの視点で書いていきます。
30代エンジニアが転職市場で評価される理由
エンジニアリングの世界では、実務経験の年数がそのまま評価につながりやすいです。30代であれば最低でも5〜10年の実務がある人が多く、採用企業からすると「研修ゼロで動ける人」として見てもらえることが多い気がします。
- 設計・開発・テストの一連の経験がある
- チームでの開発やコードレビュー経験がある
- 後輩育成やリーダー経験がある
- ベンダー折衝・顧客対応の経験がある
このあたりの経験が1つでも2つでもあると、転職市場での評価はグッと上がります。特にテックリード経験やPM経験(プロジェクト全体を取りまとめる役割の経験)は、30代エンジニアの強みとして特に評価されやすいです。
30代エンジニアが転職で失敗するパターン3つ
うまくいかないケースにも共通したパターンがあります。ぼくが転職活動中に見聞きした話と、自分の失敗談をもとにまとめてみました。このパターンに当てはまってないか、先にチェックしておくと後悔が減ると思います。
パターン①:スキルの棚卸しをせずに動く
転職活動でよくある失敗が、「なんとなく求人を見始めてしまう」こと。求人票を眺めていると「自分には無理かも」という気持ちになって、動けなくなります。
ぼく自身、最初の転職のときに職務経歴書を書こうとして手が止まった経験があります。「SIerで10年やってきたけど、Webの会社に何をアピールすればいいんだ?」って。最初にやるべきは求人を見ることじゃなくて、自分のスキルと実績の棚卸しです。
パターン②:転職理由が「逃げ」だけになっている
「今の会社がつらいから転職したい」という気持ち、すごくよくわかります。ぼく自身も上司から「お前はPMには向いてない」と言われた経験があって、その悔しさが転職の動機の一つでした。
でも、「逃げ」の理由だけで転職すると面接で詰まります。面接官は必ず「なぜうちの会社なんですか?」と聞いてくる。「今の会社から逃げたい」に加えて「次の会社で何をしたいか」がセットで言えるかどうかが重要です。
パターン③:年収だけを転職理由にする
「年収を上げたくて転職した → 入ってみたら仕事がきつすぎた」というパターン、エンジニアの転職ではけっこうあります。年収が高い求人には理由があることが多いので、労働環境・残業時間・プロジェクトの種類などもちゃんと調べることをおすすめします。
実際にやってみた話:SIerからWeb系への転職で変わったこと
ここからは実際にやってみた話をします。ぼくが31歳でSIerからWebベンチャーに転職したときの、転職前後の変化です。参考になる部分があれば使ってください。
転職前後の変化(年収・働き方・満足度)
- 年収:SIer時代より約60万円アップ(ただし残業代込みの比較なので純増ではない)
- 働き方:スーツ出社からフルフレックス・私服勤務に変わった
- 技術スタック:Javaメインからモダンな言語・ツールに触れられるようになった
- 意思決定スピード:「稟議→承認→実行」から「議論→即実行」に変わった
- 満足度:最初の半年はカルチャーギャップでしんどかったけど、1年後には高かった
正直、最初の半年はきつかったです。SIerで10年やってきた「当たり前」がWebベンチャーでは通用しない場面がたくさんあって、毎日ちょっとだけ自信をなくしていました。でも「転職してよかった」という実感は、1年続けてみて初めて出てきた気がします。最初の3〜6ヶ月で判断するのは早すぎると思います。
やっておけばよかったこと(後悔談)
転職してから「あ、これやっておけばよかった」と思ったことが2つあります。
- GitHubのポートフォリオを転職活動前に整えておくべきだった(Web系では見られる機会が多かった)
- エージェントとの面談で「希望年収」を低めに言いすぎた(もう少し強気でよかった)
GitHubのポートフォリオとは、自分が作ったコードやアプリを公開しているページのことで、Web系の企業への転職では職務経歴書と同じくらい重要視されることがあります。SIer出身者は「GitHubを見せてと言われても何も出せない」という状況になりがちなので、意識して整えておくといいと思います。
30代エンジニアの転職活動を4ステップで解説します
「何から始めればいいかわからない」という声をよく聞くので、ぼくが実際にやった流れを4つのステップにまとめてみました。これをそのままなぞるだけでも、動き出しやすくなると思います。
STEP 1:スキルと実績を棚卸しする(1〜2週間)
まず、自分がこれまでやってきたことを全部書き出します。「大きなプロジェクトだけ書けばいい」と思いがちですが、小さな改善提案や社内ツールの作成なども実績として書けます。
- 使ってきた言語・フレームワーク・ツールのリスト
- 携わったプロジェクトの規模・役割・成果
- 数字で語れる実績(開発期間短縮・コスト削減・チーム人数など)
- 資格・認定(あれば)
STEP 2:転職の軸を決める(1週間)
「なぜ転職するか」と「次でどうなりたいか」を言語化します。ここが曖昧なまま進むと、内定をもらってから「本当にこの会社でよかったのか」と迷うことになります。
ぼくがWebベンチャーへの転職を決めたときの軸は「モダンな技術に触れてスキルアップしたい」「意思決定が速い環境で働きたい」の2つでした。軸は多くても3つまでに絞ると、求人の絞り込みも面接の準備もやりやすくなります。
STEP 3:エージェントに登録して求人を探す(2〜4週間)
転職活動は、エージェントを使うのが基本です。特に30代の転職では、転職エージェント(担当者がついて求人紹介・面接対策をしてくれるサービス)を活用すると、非公開求人にアクセスできたり、年収交渉を代わりにやってもらえたりします。
ぼくが使ったのは2社です。1社だけ使うのはおすすめしません。エージェントによって得意な業界・職種・企業規模が違うので、比べてみることで求人の選択肢が広がります。
STEP 4:面接対策と内定後の交渉(2〜4週間)
面接では、「なぜ転職するのか」と「なぜうちなのか」の2つが必ず聞かれます。この2つに対してスラスラ答えられる状態にしておくだけで、かなり印象が変わります。
それから、内定が出てからの年収交渉を忘れずにやること。エージェント経由の場合はエージェントが代わりに交渉してくれるので、希望年収は少し強気に伝えておくといいです。ぼくは最初に弱気な金額を言ってしまって、後から「もっと言えばよかった」と思いました。
転職エージェントを2社使った正直な感想
エージェントの話をもう少し具体的に書いておきます。どのエージェントを使うかで、紹介される求人の質や担当者の対応がかなり違います。ぼくの実感ベースの話なので、参考程度に読んでもらえると。
エージェントAとBを使ってわかったこと
ぼくがWebベンチャーへ転職したときは、IT・Web系特化のエージェントとリクルート系の大手エージェントの2社を並行して使いました。
- IT特化系のエージェント:紹介求人がWeb系・スタートアップに偏っていて、担当者がエンジニアの職種について詳しかった。技術的な話をそのまま通じた。
- 大手総合エージェント:求人の数が圧倒的に多かった。ただし担当者は技術の詳細より「スペック的に合うか」という視点で見ている感じがした。
「どちらが優れている」ではなく、どちらも使うのが正解です。実際、最終的に入社した会社の求人は、IT特化系のエージェントから紹介してもらいました。でも大手エージェントとのやり取りで面接練習ができたのも大きかったです。
こんな人には転職をすすめる・すすめない
ここは正直に書きます。「30代エンジニアは転職すべき」とか「すべきでない」という話ではなく、状況によって変わると思っているので、「すすめるケース」と「すすめないケース」を分けて書いてみます。
転職をすすめる人のパターン
- 技術的に成長できていないと感じている(新しいことを学べる環境が少ない)
- 年収が市場相場より明らかに低い(転職サイトの年収診断などで確認できます)
- 「次にやりたいこと」が明確にある
- 今の職場に健康上のリスクがある(残業過多・ハラスメントなど)
- リモートワークを希望しているが現職では叶わない
転職をすすめないケースも正直に書きます
- 「なんとなく不満」だけで「次でやりたいこと」が何もない状態
- スキルの棚卸しができておらず、職務経歴書に書けることがほとんどない
- 貯金がほぼゼロで転職活動中の無収入期間に耐えられない
- 家族の反対が強く、精神的なサポートがない状態で動こうとしている
ぼくが思うのは、転職は「逃げ」でも「挑戦」でもなくて、単純に手段のひとつです。その手段が今の自分に必要かどうかを、感情ではなく状況で判断するといいと思います。
30代エンジニアが転職で年収を上げるための考え方
「年収を上げたい」という気持ちは転職の大きな動機になりますよね。ただ、やみくもに「高い年収の求人に応募する」だけでは失敗しやすいので、ぼくなりの考え方を書いておきます。
年収が上がる転職と上がらない転職の違いは、自分の市場価値(客観的に見たときに転職市場でどれくらいのオファーを受けられるか)を把握しているかどうかだと思います。
- 転職サイトの年収診断を使って現在の相場を確認する
- 複数の企業から内定をもらって競争させることで、交渉力が上がる
- 年収だけでなく、賞与・リモート手当・福利厚生の総額で比較する
- エージェント経由の場合は「希望年収」を少し高めに伝えておく
これ、意外と大事で。ぼくが2回目の転職(フリーランス転向前のWebベンチャー→別のWebベンチャー)のときは、複数の企業に並行して進んでいたので「他社からもオファーが出ています」と伝えることができて、結果的に希望に近い年収で入社できました。
まとめ:30代エンジニアの転職、ぼくが伝えたいこと
長くなりましたが、最後にポイントを整理します。
- 30代エンジニアの転職は「遅すぎる」ことはない。スキルと実績があれば市場価値は十分にある
- 「逃げの理由」だけでなく「次でやりたいこと」をセットで言語化してから動くこと
- スキルの棚卸しと軸決めを先にやってから、求人を見始めること
- エージェントは必ず複数登録して比べること。1社だけでは求人も交渉力も限られる
- 転職後の最初の半年はしんどいのが普通。1年続けてから判断する気持ちでいるといい
ぼく自身、SIerの上司から「お前はPMに向いていない」と言われた悔しさをずっと持ちながら転職して、今はフリーランスとして仕事をしています。転職が全員に正解とは思っていないですが、「やればよかった」より「やってみた」の方が気持ち的には楽だと思っています。
まず動き出したい人は、エージェントへの登録だけでも今日中にやってみることをおすすめします。登録は無料で、話を聞くだけでもOKです。動いてみると、思っていたよりいろんなことが見えてきます。

