IT転職の志望動機って、何を書けばいいのかわからない——そう感じている人、多いんじゃないでしょうか。ぼくも大手SIerからWeb系ベンチャーに転職したとき、志望動機の書き方で何日も悩みました。この記事では、実際に通過した経験をもとに、IT転職の志望動機で押さえるべきポイントを4ステップで解説してみます。
・スキルアップ・年収・働き方など、動機は正直に書いてOK(ただし言い方がある)
・「前職の不満」をそのまま書くのはNG。ポジティブな言葉に変換するのがコツ
・未経験者と経験者では書き方の戦略が異なる
・具体的なエピソードを1つ添えるだけで説得力がぐっと上がる
タケPM
SIerからフリーランスPMへ転身。リモートワーク・転職・副業のリアルな話を体験ベースで発信しています。
そもそもIT転職の志望動機って何が求められているの?
まずここを整理しておかないと、どんなにきれいな文章を書いても的外れになります。採用担当者が志望動機で見ているのは、ざっくり言うと「この人はなぜうちに来たいのか、長く働いてくれそうか」という2点です。
正直、IT企業に限った話ではないんですが、IT転職には特有の事情があります。それは「スキルセットと志望動機が密接につながっている」という点です。営業職や事務職と違って、ITの仕事は「何ができるか」と「なぜやりたいか」がセットで問われます。
採用担当者が実際に見ているポイントを整理するとこんな感じです。
- なぜIT業界(またはこの職種)に興味を持ったのか
- なぜ今の会社を辞めて、この会社を選んだのか
- 入社後に何をやりたいのか、そのためにどんな準備をしているか
この3つに答えられていれば、志望動機としては十分機能します。逆に言うと、どれか1つでも抜けると「なんとなく来たいだけ?」という印象を与えてしまうので、注意が必要です。
IT転職の志望動機、よくあるNG例と理由
ここが意外と大事で、「何を書けばいいか」より「何を書いてはいけないか」を先に知っておくと、失敗する確率がぐっと下がります。ぼく自身、最初に書いた志望動機は正直NG例のかたまりでした。
NG例① 前職の不満をそのまま書いてしまう
「現職では古い技術しか使えず、スキルアップできないため転職を決めました」——これ、一見ポジティブに見えますが、受け取り方によっては「不満を言いやすい人」に映ります。
ポジティブな言葉に変換するのが基本です。同じ内容でも「モダンな技術スタックで開発に携わり、エンジニアとして成長し続けたいと考えています」と言い換えると印象が変わります。
NG例② 「御社に魅力を感じたから」だけで終わる
企業のホームページに書いてあることをそのまま引用したような志望動機は、読んでいてすぐわかります。「自社開発に力を入れている御社で…」だけだと、他の100社にも同じ文章が送れてしまいます。
NG例③ 年収・リモートワーク目的を正直に書きすぎる
正直、年収アップやリモートワーク目的で転職する人はたくさんいます。ぼくもそうでした。ただ、それを動機の中心に据えると「条件が変わったらすぐ辞める人」と見られるリスクがあります。
補足:年収・働き方への言及は「その環境で成長・貢献したい」という文脈に添えるなら問題ありません。「最大の動機」として書くのを避けましょう。
通過率が上がる志望動機の書き方【4ステップ】
で、結論から言うと、ぼくが実際に書いて面接に通過した志望動機は、この4ステップで組み立てたものです。実際にやってみた話をします。
STEP1:「なぜITか」を過去のエピソードで説明する
「IT業界に興味があります」だけではなく、そのきっかけとなった出来事を1つ添えます。ぼくの場合は「SIerでシステム導入プロジェクトに携わる中で、ユーザーの働き方が変わる瞬間を目の当たりにして、技術で人の仕事を変える面白さを知りました」という形で書きました。
エピソードは短くて構いません。2〜3文で十分です。大事なのは「具体的な体験があること」です。
STEP2:「なぜこの会社か」を企業研究の具体例で示す
企業のプレスリリース・採用ブログ・代表インタビューなどを読み込んで、「この会社ならではの要素」を1つ以上入れます。たとえば「御社がアジャイル開発を全社導入している点に共感しています」という内容に加え、「実際に御社のエンジニアブログで〇〇という記事を読み、チームの動き方に魅力を感じました」と添えると具体性が出ます。
・採用ページ(求める人物像)
・代表・社員インタビュー記事
・プレスリリース(直近1年分)
・エンジニアブログ(技術系ポジションなら必須)
STEP3:「入社後にやりたいこと」をスキルと紐づける
「入社後は〇〇に携わりたい」という言葉は、スキルや経験と紐づけないと説得力がありません。「これまでプロジェクト管理の経験を積んできたので、御社の新規開発プロジェクトでスケジュール管理・チーム連携の面で貢献できると考えています」のように、自分の経験 → 企業での活かし方をつなぐのがコツです。
STEP4:全体を200〜400文字にまとめる
書類選考の志望動機欄は、だいたい200〜400文字が目安です。長すぎると読まれないし、短すぎると「やる気がない」と見られる可能性があります。STEP1〜3の内容を1つずつ短くまとめれば、自然とこのボリュームに収まるはずです。
面接での口頭説明は、これを1〜2分で話せるように練習しておくと安心です。
未経験からITに転職する場合の志望動機、どう書く?
「未経験だから書けることが少ない…」という不安、よくわかります。でも正直、未経験であることは書き方次第でマイナスになりません。
未経験転職の志望動機で大事なのは、「なぜやると決めたのか」と「実際に何を始めたか」の2点です。
「なぜやると決めたのか」を具体的に書く
「ITに興味があったから」だけでは弱いです。「前職の営業業務でSFAツール(営業支援システム)の設定を独学でカスタマイズするうちに、システムを作る側に回りたいと思うようになりました」のような、きっかけのエピソードが重要です。
「実際に何を始めたか」を必ず入れる
未経験者の志望動機で採用担当者がもっとも確認したいのは「本気度」です。そのために、転職活動と並行して学習している内容を書くのが効果的です。
- プログラミング学習サービスで〇〇言語を学習中(進捗〇割)
- IT系の資格勉強中(例:基本情報技術者試験)
- 個人でポートフォリオサイトを作成中
こういった「行動の証拠」を1つ入れるだけで、志望動機の説得力がぐっと上がります。ちなみにpaizaやProgateなどのプログラミング学習サービスは無料から始められるものも多いので、学習を始めていない方はまず触れてみるのがおすすめです。
IT経験者が転職する場合の志望動機、どう差別化する?
ITの経験者転職は、未経験よりも「なぜ今の会社じゃダメなのか」を問われやすいです。ここで差がつくのが「ポジションとキャリアの話」ができるかどうかだと思います。
ぼくがSIerからWeb系ベンチャーに転職したとき、面接官に「なぜ大企業からベンチャーに?」とほぼ必ず聞かれました。そこで答えたのは「大規模開発の上流工程には関われましたが、リリースまでのサイクルが長く、ユーザーの反応を直接見ながら開発する経験を積みたかった」という内容です。
前職で得たものを否定せず、次のステージで得たいものを語る——これが経験者転職の志望動機の基本姿勢です。
IT転職の志望動機、使える文例【ジャンル別】
実際の文例があると書きやすくなるので、ジャンル別に用意してみました。これをそのままコピーするのはNGですが、構成の参考にしてみてください。
文例① 未経験からエンジニアを目指す場合
「前職の営業職でCRMツール(顧客管理システム)を活用する中で、業務効率化への関心が高まりました。独学でプログラミングの基礎を学ぶうちに、システムを自分の手で作る仕事に強く惹かれるようになり、エンジニアへの転職を決意しました。御社がチームでコードレビューを丁寧に行い、未経験者でも成長できる環境を整えている点に魅力を感じています。入社後は基礎をしっかり固めながら、将来的にはバックエンド開発を担えるエンジニアを目指したいと考えています。」
文例② SIerからWeb系への転職
「SIerで〇年間、インフラ構築およびプロジェクト管理を担当してきました。大規模案件の経験を通じて上流工程の進め方は学べた一方、リリースサイクルが長くユーザーの反応を直接受けながら改善する経験を積みたいと考えるようになりました。御社の開発ブログを読み、2週間スプリントで機能リリースを回している点と、エンジニアがビジネス側と密に連携する文化に共感しました。これまでの経験を活かしつつ、より直接的にプロダクトの成長に貢献したいと考えています。」
文例③ 社内SEからITコンサルへの転職
「社内SEとして〇年間、基幹システムの運用・保守と社内DX推進を担当してきました。プロジェクトを通じて、システムの導入よりも『業務課題の整理と要件定義』に面白さを感じるようになり、ITコンサルタントとしてより多くの企業の課題解決に関わりたいと考えるようになりました。御社が業界横断でDX支援を手がけている点、および提案から実装まで一気通貫で関われる体制に魅力を感じています。」
IT転職エージェントを使うと志望動機づくりが格段に楽になる
正直、志望動機を一人で完成させるのはかなりしんどいです。ぼく自身、最初に書いた志望動機は転職エージェントのキャリアアドバイザーに添削してもらって、ほぼ全部書き直しになりました。それでも通過率が上がったので、やってよかったと思っています。
IT転職に強いエージェントを使うメリットは主に3つです。
- 志望動機・職務経歴書を添削してもらえる
- 企業の内情・面接傾向を事前に教えてもらえる
- 非公開求人にアクセスできる
補足:エージェントは無料で使えます。複数社に登録して、担当者との相性を見ながら使い分けるのがおすすめです。
IT転職に特化したエージェントとしてよく名前が挙がるのは、レバテックキャリアやdodaなどです。ぼくはdodaを使っていて、担当の方が志望動機の骨格づくりから一緒に考えてくれたのがありがたかったです。
まとめ:IT転職の志望動機で意識してほしいこと
最後に要点をまとめます。これだけ覚えておけば、志望動機で大きく外すことはないはずです。
- 「なぜIT?」「なぜこの会社?」「入社後に何がしたい?」の3つを必ず盛り込む
- 前職の不満はポジティブな言葉に変換してから書く
- 具体的なエピソードを1つ添えるだけで説得力が大きく変わる
- 未経験者は「学習の行動実績」を必ず入れる
- 経験者は「前職で得たもの + 次に得たいもの」のセットで語る
志望動機に正解はひとつじゃないので、「自分の言葉で書けているか」を最後の確認軸にしてみてください。きれいに整いすぎた文章より、少し泥臭くても自分の言葉で書いてある志望動機のほうが、面接で話を広げやすいです。まずは下書きを書いてみて、転職エージェントや信頼できる人に見てもらうところから始めてみるのがいいと思います。

