「HubSpotって無料版で何ができるの?有料にしないと使えないの?」——私が初めてHubSpotを触ったとき、まず思ったのがこれでした。このツール、機能が多すぎて最初は何から手をつければいいか正直わからないんですよね。この記事では、実際に無料版を使いながらクライアント支援を行っている私の経験をもとに、無料版でできること・できないことを正直にお伝えします。読み終わると「自分の用途に合うかどうか」の判断ができるようになります。
・コンタクト(顧客データ)は100万件まで無料で管理可能
・無料版でも営業・マーケ・サポートの基本業務は十分カバーできる
・有料版との違いは「自動化の深さ」と「レポートの精度」
・まずは無料版で使い感をつかんでから有料版を検討するのがおすすめ
あじゃ
セブ島IT留学スクールの運営部長や、Web/営業/マーケティングコンサル正社員を経て、フリーランスへ転身。広告運用・SEO・CRM構築の現場経験から、マーケティングのリアルを発信しています。
HubSpot無料版とは?まず全体像を把握しよう
「そもそもHubSpotって何?」という方のために、最初に全体像を整理します。ここさえわかれば、無料版の価値が一気にクリアになります。
HubSpotは、アメリカ発のマーケティング・営業・カスタマーサポートを一括で管理できるプラットフォームです。日本語にすると「CRMツール(顧客関係管理ツール)」という分類になります。CRMとは、お客さんの情報や商談の進捗・問い合わせ履歴などをまとめて管理する仕組みのことです。
HubSpotの特徴は、「Hub(中心)」という名前の通り、営業・マーケ・CSを一つのデータ基盤でつないでくれることです。Excelで顧客管理しながらメールはGmailで送って、問い合わせはSpreadsheetsで管理して……という「バラバラ運用」をまとめて解決するのがHubSpotの役割です。
で、一番大事なポイントとして、HubSpotは無料版でも驚くほど多くの機能が使えます。クレジットカード不要・期間制限なしで使い始められるので、「とりあえず試してみたい」という方にも最適です。
・Marketing Hub(マーケティング)
・Sales Hub(営業)
・Service Hub(カスタマーサポート)
・Content Hub(コンテンツ管理)
・Operations Hub(データ連携)
無料版では、これら全てのHubの基本機能が使えます。
HubSpot無料版でできること一覧【機能別に解説】
ここが記事の核心です。「無料版でここまでできるの?」と私自身が驚いた機能を、カテゴリ別に整理しました。実際に私がクライアント支援で使っている観点でお伝えします。
① CRM(顧客管理):これだけで使う価値がある
無料版HubSpotの中で、私が一番「太っ腹だな」と感じるのがCRM機能です。コンタクト(顧客情報)は100万件まで無料で登録・管理できます。スタートアップどころか、中堅企業でも十分すぎるキャパです。
具体的にできることをリストアップすると、以下の通りです。
- 顧客の氏名・会社名・メール・電話番号などの基本情報を管理
- 各顧客とのメール送受信履歴・通話記録・メモを自動で紐づけ
- 案件(ディール)ごとの商談ステージを視覚的に管理(パイプライン管理)
- タスクやToDoを顧客に紐づけて管理
- GmailやOutlookとの連携でメールを自動記録
私がフリーランスになった当初、クライアントの情報をNotionとGoogleスプレッドシートで管理していたのですが、これに変えてから「あの人との最後のやりとりいつだっけ?」という無駄な検索時間がゼロになりました。履歴がすべてコンタクトに自動で紐づくので、「見つけられない」ストレスが消えます。
② メール送信:ステップメールの基本もできる
マーケティングメールの一括送信も無料版で使えます。ただし、無料版では1ヶ月あたり2,000通までという上限があります。小規模なリストへのメルマガやお知らせメールであれば十分な範囲です。
メール機能でできることは以下の通りです。
- ドラッグ&ドロップでHTMLメールを作成(テンプレートあり)
- コンタクトリストへの一括送信
- 開封率・クリック率の計測(基本レポート)
- 送信スケジュールの予約
③ フォーム作成:サイトに埋め込んでリード獲得
無料版でもフォームを作成してWebサイトに埋め込むことができます。フォームから送信された情報は自動的にHubSpotのコンタクトとして登録されるので、リード獲得から顧客管理までが一気通貫でつながります。
私があるクライアントに導入したケースでは、Googleフォームからの問い合わせをスプレッドシートに手動コピーしていた作業がゼロになりました。月に30〜40件の問い合わせがあると、この転記作業だけで月2〜3時間かかっていたので、それが丸々なくなったのはインパクトが大きかったです。
④ チャット・チャットbot:サイトに設置して対応漏れ防止
ライブチャット(リアルタイムの有人チャット)と簡易的なチャットbot、どちらも無料版で使えます。サイトに設置することで、訪問者からの問い合わせをリアルタイムで受け取れます。
チャットから来た問い合わせも自動的にコンタクトとして保存されるのがポイントです。「問い合わせがあったけど誰が対応したかわからない」という状況を防げます。
⑤ ミーティング調整:日程調整ツールが無料で使える
「ミーティングリンク」という機能で、相手が自分のカレンダーから空き時間を選んで予約できるURLを発行できます。いわゆる「日程調整ツール」です。Googleカレンダーと連携させると空き時間が自動で反映されるので、「〇日か△日はいかがでしょう?」というメールのやりとりが激減します。
私はこれをクライアントとの初回相談に使っています。「まず30分お話しませんか?」のひと言とURLを送るだけで日程が確定するので、提案フェーズのスピードが明らかに上がりました。Calendlyの有料版で同等の機能を使っていた時期と比べると、ツール費用もまるまる削減できたのは正直助かっています。
⑥ レポート・ダッシュボード:基本的な数字は無料で見られる
無料版でも、コンタクト数の推移・ディール(案件)のステータス・メールの開封率などの基本レポートを確認できます。ダッシュボードは最大3つまで作成可能で、よく見る指標をまとめて表示する設定ができます。
高度なカスタムレポート(例:特定のキャンペーンからのCV数を属性別に分析)は有料版が必要ですが、「今月の問い合わせ何件で、どの段階まで進んでいるか」という基本的な把握には無料版で十分対応できます。
HubSpot無料版の使い方:最初の3ステップ
「使えることはわかったけど、実際どこから始めればいいの?」という声をよく聞くので、私が推奨する最初の3ステップをまとめました。難しいことは一切ないので、この通りに進めれば30分以内に基本設定が完了します。
STEP 1:アカウント登録(所要時間:約5分)
HubSpot公式サイトにアクセスして「無料で始める」からアカウントを作成します。Googleアカウントでのログインも可能なので、メールアドレスだけあればすぐ始められます。クレジットカード情報の入力は不要です。
登録時に業種・会社規模・目的(営業強化・マーケティング・CS改善など)を選ぶ画面が出てきます。ここで選んだ内容によって最初に表示されるダッシュボードのレイアウトが変わりますが、後から変更できるので深く考えなくて大丈夫です。
STEP 2:GmailまたはOutlookと連携する(所要時間:約10分)
アカウント作成後、最初にやるべきことはメールの連携です。設定画面から「メールの連携」を選んで、GmailまたはOutlookと接続します。
これをやっておくと、メールを送受信するたびに自動的にコンタクトの履歴として記録されます。「このお客さんにいつ何を送ったか」が一目でわかるようになるので、CRMとしての価値がここから本当に発揮されます。
STEP 3:既存の顧客データをインポートする(所要時間:約15分)
既存の顧客情報をCSV形式でインポートできます。ExcelやGoogleスプレッドシートで管理していたデータがあれば、それをそのままHubSpotに移行できます。
インポート手順は以下の通りです。
- HubSpotの「コンタクト」メニューから「インポート」を選択
- 「ファイルからインポート」を選んでCSVをアップロード
- HubSpotの項目(名前・メールアドレスなど)とCSVの列を対応させる
- 確認してインポート実行
CSVのヘッダー行がそのまま項目として使えるので、ExcelやスプレッドシートのA列が「名前」、B列が「メールアドレス」という形になっていれば迷わず進められます。私が支援したクライアントでは、700件のコンタクトデータを15分程度でインポートできました。
無料版と有料版(Starter)の違いを正直に比較する
「無料版でどこまで使えて、どこから有料にしないといけないのか」——これが一番知りたい部分だと思うので、正直に整理します。ここを知っておくと、不要な課金を防げます。
有料版の最低プランはMarketing Hub StarterやSales Hub Starterなど、各Hubごとに月額15ドル〜(2025年時点)から始まります。無料版との主な違いは以下の通りです。
- 【無料→有料で解放】メール送信数の上限撤廃(無料は月2,000通まで)
- 【無料→有料で解放】ワークフロー自動化(フォーム登録→自動メール送信など)
- 【無料→有料で解放】HubSpotのロゴを非表示にできる(メール・フォーム・チャット)
- 【無料→有料で解放】カスタムレポートの作成
- 【無料→有料で解放】A/Bテスト(メールの件名・本文のパターン比較)
「自動化」が無料版の最大の壁です。「フォームに登録した人に自動でウェルカムメールを送りたい」「リードが一定スコアになったら営業に通知したい」といったことをやりたい場合は、有料版が必要になります。
逆に言うと、手動でメールを送ることができて、コンタクト数が少なく(2,000通/月以内)、「HubSpot」のロゴが入っていても気にしない、という方であれば無料版で半永久的に使い続けることができます。
・月のメール送信数が2,000通を超えてきた
・「フォーム登録→自動メール」など、手動対応の限界を感じてきた
・複数人チームで使い始めて、権限管理が必要になってきた
実際に使ってわかった「無料版の地味なデメリット」
良いことばかり書いても信用されないので、使っていて「ここはちょっと…」と感じた点もお伝えします。事前に知っておくと、使い始めてからのガッカリを防げます。
HubSpotのロゴが入る
無料版で作成したフォーム・メール・チャットには「HubSpotで作成」というロゴが自動で表示されます。BtoBの業務用途であれば大きな問題になることは少ないですが、自社ブランドの統一感を大切にしたい場合は気になるかもしれません。これを消すためにはStarterプラン以上が必要です。
日本語サポートが有料プランより手薄
無料版のサポートはオンラインのヘルプドキュメントとコミュニティフォーラムが中心で、チャットや電話でのサポートは基本的に有料プラン向けです。ただし、HubSpotの公式ヘルプセンターは日本語対応が充実しており、検索すれば大抵の疑問は解決できます。
レポートのカスタマイズに限界がある
「特定の業種のコンタクトだけで開封率を集計したい」「広告チャネル別の商談数を比較したい」といった細かいレポートは無料版ではできません。データの「見える化」に本格的に取り組みたいフェーズになったら、有料版を検討するタイミングだと思っています。
こんな人に無料版HubSpotはおすすめ【判断チェックリスト】
最後に「自分が無料版で大丈夫かどうか」を判断するためのチェックリストをまとめました。3つ以上当てはまれば、まず無料版から始めるのが正解だと思います。
- 顧客数が数百〜数千件規模で、Excelやスプレッドシートで管理している
- メール送信数が月2,000通以内に収まる
- フリーランスや小規模チーム(5名以下)で営業・マーケを回している
- まずツールを試してから有料版を検討したい
- 日程調整を手動でやっていて手間を感じている
- 問い合わせフォームの回答をスプレッドシートにコピーしている
私自身がフリーランス2年目の今、クライアント管理・日程調整・メール送信はすべて無料版HubSpotで完結させています。月の送信数は200通以下なので、有料版にする理由が今のところ見当たりません。「まず触ってみる」ハードルが限りなく低いので、気になるなら今すぐ登録してみることをおすすめします。
まとめ:HubSpot無料版は「使わない理由がない」レベルのツール
- CRM・メール・フォーム・チャット・日程調整が完全無料・期間制限なしで使える
- コンタクト100万件まで無料管理できるので、中小企業レベルでは制限を感じにくい
- まずGmailと連携して顧客データをインポートするだけで即戦力になる
- 有料版との主な違いは「自動化の深さ」なので、手動対応が苦でない間は無料版で十分
- フリーランス・小規模チームの「バラバラ管理」の悩みを解決する最短ルート
HubSpot無料版は、「CRMを入れたいけどコストが怖い」「ツールが多すぎて何を選べばいいかわからない」という方にとって、リスクゼロで始められる選択肢です。まずはHubSpot公式サイトからアカウントを作って、Gmailとカレンダーをつないでみるところからスタートしてみてください。「あ、これ思ったより全然難しくない」と感じるはずです。

