Amazon広告の最適化方法【実務8年が教える5ステップ】

「Amazon広告を出しているのに、なぜか売上が伸びない…」そんな状態、私も最初は経験しました。広告費だけが出ていって、手元に残る利益がじわじわ削られていく…本当につらいですよね。この記事では、広告運用歴8年の私が実務で使っているAmazon広告の最適化方法を、5つのステップで具体的にお伝えします。読み終えたあとには「今日から何を変えればいいか」が明確になるはずです。

本記事の要約
・Amazon広告の最適化は「計測→分析→ターゲット整理→入札額調整→商品ページ改善」の5ステップで進める

・まずはACoS(広告費用対効果)を把握することが最優先

・ターゲットは「完全一致・部分一致、拡張」などを使い分けるのが鍵

・ネガティブターゲットの設定で無駄な出費を大幅にカットできる

・週1回のレビューサイクルを回すだけで結果は大きく変わる

あじゃ
この記事を書いた人

あじゃ

セブ島IT留学スクールの運営部長や、Web/営業/マーケティングコンサル正社員を経て、フリーランスへ転身。広告運用・SEO・CRM構築の現場経験から、マーケティングのリアルを発信しています。

 

そもそもAmazon広告の最適化って何をすること?

「最適化」という言葉は広告界隈でよく使われますが、初めて聞く方には少しぼんやりしますよね。まずここをはっきりさせておきましょう。

Amazon広告の最適化とは、ひとことで言うと「同じ広告費でより多くの売上を生み出せる状態に近づける作業」です。広告を出しっぱなしにするのではなく、定期的にデータを確認して、無駄を削り、効果の高い部分に集中する。この繰り返しが最適化の本質です。

私がクライアントさんの広告アカウントを初めて見るとき、約8割のアカウントで「出しっぱなし状態」になっています。設定してそのまま、という状態ですね。これが一番もったいない。Amazon広告は、設定した翌日から最適化を始めるくらいの意識が正しいと私は思っています。

ポイント

Amazon広告では主に

・スポンサープロダクト広告(指定したキーワードや商品に広告を表示)

・スポンサーブランド広告(動画広告、複数商品を表示)

・ディスプレイ、動画、音声広告(商品バナーを表示)

・DSP広告(Amazonサイト外にも広告を表示)

の4種類があります。本記事では、最も使われる機会の多いスポンサープロダクト広告を中心に解説します。

まだAmazonで広告を出したことがなく、「Amazon広告は右も左も分からないよ!」という人は、無料のAmazon Ads アカデミーで学習すると良いです。スポンサー広告だけなら、3〜5時間もあれば公式認定評価がもらえますし、ACoSなど指標を覚えるのにも役立ちます。

最適化の前に必ず確認すべき指標3つ

最適化の手を動かす前に、まず「現状を正しく読む」ことが絶対に必要です。ここを飛ばして施策だけいじっても、改善しているのか悪化しているのかすら判断できません。私が必ずチェックする指標を3つ紹介します。

① ACoS(エーコス):広告費が売上の何%かを示す数値

ACoS(Advertising Cost of Sales)は「「売上に対する広告費の割合」で、広告費 ÷ 広告経由の売上 × 100」で計算される数値です。たとえばACoSが30%なら、1,000円の売上を出すために300円の広告費がかかっているということ。

目標ACoSは商品の利益率によって変わります。利益率が40%の商品なら、ACoSが40%以下であれば黒字。これを自分の商品に当てはめて「目標ACoS」を先に決めておくことが大事です。ここを決めずに最適化を始めると、何を目指しているのか迷子になります。

会社によっては、ROAS(Return On Advertising Spend)「広告費用対効果」を指標として使用している所もあると思いますが、どちらでも構いません。とにかく目標を決めることが重要です。

② CTR(クリック率):表示された広告が何回クリックされたか

CTR(Click Through Rate)は「クリック数 ÷ インプレッション数 × 100」で出ます。インプレッションとは広告が表示された回数のことです。CTRが低い場合、商品画像や価格、レビュー数などに問題がある可能性があります。広告費を増やす前に、まずCTRを改善するのが先決です。

③ CVR(コンバージョン率):クリックから購入につながった割合

CVR(Conversion Rate)は「注文数 ÷ クリック数 × 100」です。クリックはされているのに購入されない場合は、商品ページ(タイトル・説明文・画像・レビュー)に問題があることが多いです。CVRが低いまま広告費を増やしても、クリック費用だけが増えて損するだけなので注意が必要です。

ACoS・CTR・CVRの3指標はAmazon Adsの管理画面から確認できます。

Amazon広告を最適化する5つのステップ

ここからがこの記事の核心です。私が実務でクライアントの広告を改善するときに必ず踏む5つのステップを、順を追って解説します。

STEP1:計測|まずオートターゲティングでデータを集める

Amazon広告には「オートターゲティング」と「マニュアルターゲティング」の2種類があります。オートターゲティングはAmazonのAIが自動でキーワードや商品ターゲットを選んで広告を表示してくれる設定、マニュアルターゲティングは自分でターゲット(キーワード or 商品)を指定する設定です。

最初からマニュアルで動かそうとする方も多いのですが、私が推奨するのはまず2〜3週間はオートキャンペーンを走らせてデータを収集することです。どんなターゲットで表示されて、どれがクリックされて、どれが購入につながったか、このデータが後のマニュアル最適化の精度を大きく左右します。

ポイント
オートキャンペーンの予算は1日500〜1,000円程度の少額からスタートで十分です。データ収集が目的なので、最初から大きく使う必要はありません。

オートターゲティングには、「おおまか一致」「代替え商品」「ほぼ一致」「補完商品」がありますが、とりあえず全部同じ入札額で運用を始め、後述するSTEP4で入札額調整を定期的に行うと良いです。

STEP2:分析|検索用語レポートで「当たりターゲット」を発掘する

オートターゲティングを2〜3週間まわしてデータが溜まったら、検索用語レポートを確認します。これはAmazonのキャンペーンマネージャーからダウンロードできるレポートで、「実際にどんな検索ワードや、他社の商品で広告が表示・クリック・購入されたか」が一覧でわかります。

このレポートを開いたら、以下の2種類に仕分けしてください。

  • CVRが高くACoSが目標以内のターゲット→ マニュアルキャンペーンに移してしっかり予算をかける
  • クリックだけ多くて購入ゼロターゲット → ネガティブターゲットに追加して無駄クリックをカット

私が初めてこの作業をやったクライアントのアカウントでは、全クリックの約35%がまったく購入に結びつかないターゲットに使われていました。ここを止めただけで翌月のACoSが12%改善したことがあります。地味な作業ですが、効果は数字ではっきり出ます。

STEP3:ターゲット整理|マニュアルキャンペーンでマッチタイプを使い分ける

当たりターゲットが見つかったら、マニュアルキャンペーンに追加します。このとき重要なのがマッチタイプの選択です。マッチタイプとは「どこまで広い検索に広告を表示するか」を決める設定で、3種類あります。

▼マニュアルキーワードターゲティングの場合

  • 完全一致:指定したキーワードとまったく同じ検索にのみ表示。精度が高い分、表示回数は少なめ
  • フレーズ一致:指定したキーワードのフレーズを含む検索に表示。バランス型
  • 部分一致:関連しそうな検索全般に表示。リーチは広いが無駄打ちも多い

▼マニュアル商品ターゲティングの場合

  • 完全一致:指定した商品にのみ表示。精度が高い分、表示回数は少なめ
  • 拡張:指定した商品に似た商品にも表示。リーチは広いが無駄打ちも多い

私がよくやるのは、キーワードターゲティングの場合、最初は完全一致やフレーズ一致中心に運用して、安定したら徐々に広範囲も部分一致試すというやり方です。いきなり部分一致だけで回すと、ACoSがどんどん上がって収拾がつかなくなります。

STEP4:入札額調整|週1回のペースで見直す

ターゲットを設定したら、次は入札価格の調整です。入札価格とは「このターゲットで1クリックあたりいくら払うか」を設定する金額のことです。

Amazon広告の入札調整で私が使っているシンプルなルールをお伝えします。

  • ACoSが目標より低い(良い)ターゲット:入札額を10〜30%上げて露出を増やす
  • ACoSが目標より高い(悪い)ターゲット:入札額を10〜30%下げてコストを抑える
  • クリックが月10回未満で判断しにくいターゲット:もう少し様子を見てから動かす
  • 何度も調整したけど費用対効果が悪いターゲット:停止する

重要なのは一度に大きく動かさないことです。いきなり50%上げたり下げたりすると、変化の原因が入札なのか他の要素なのか判断しにくくなります。10〜30%ずつ、週1回のペースで動かすのが私のルールです。大きく変更した場合は、必ず翌日に確認して、広告費がかかり過ぎていないか確認するようにしましょう。

STEP5:商品ページ改善|広告とセットで改善してCVRを上げる

広告の最適化は、広告設定だけでは限界があります。商品ページのCVRが低いままでは、いくら入札を最適化してもACoSは改善されません。広告とページはセットで改善するのが鉄則です。

CVRを上げるために私がまず確認するのは以下の4点です。

  • メイン画像:白背景で商品が大きく・鮮明に写っており、複数枚の登録があるか
  • 商品タイトル:検索キーワードを含みつつ、読んで意味がわかるか
  • 箇条書き(バレットポイント):商品の強みが5点明確に書かれているか
  • A+(エープラス)の登録をしているか
  • レビュー:星4以上・50件以上あるか(これ以下だと購入をためらわれやすい)

私が支援したあるセラーさんは、画像を増やして、バレットポイントを改善しただけでCTRが1.8%から3.2%に上がりました。広告費は変えていないのに、売上が約1.7倍になったんです。ページ品質は広告効果に直結しています。

やりがちな失敗と、私が見てきたNG事例

最適化の手順を知っても、よくある落とし穴にはまってしまう方が多いので、実際に私が現場で見てきたNG事例をいくつか紹介します。

NG① キャンペーンを増やしすぎて管理できなくなる

「広告の種類を増やせば露出が増えるはず」と思って、キャンペーンを10個、20個と増やしていくパターン。管理できる数を超えたキャンペーンは最適化できません。最初は商品1つあたり「オート1つ+マニュアル1〜2つ」の計2〜3キャンペーンで十分です。

NG② 毎日設定をいじる

焦って毎日入札を変えてしまうと、データが安定せず何が原因で変化したかわからなくなります。Amazon広告のアルゴリズムは一定の学習期間が必要です。変更後は最低7日間はデータを見守る習慣をつけましょう。

NG③ 予算上限を低く設定しすぎる

「無駄遣いしたくない」という気持ちはわかるのですが、1日の予算が低すぎると広告が午前中に止まってしまい、データが偏ります。最初の学習期間は、目標ACoS内で回収できる範囲で少し余裕を持った予算設定にしておくことをおすすめします。

注意
Amazon広告の予算は「使い切ったらその日は広告が止まる」仕組みです。商品が売れやすい時間帯(夕方〜夜など)に広告が止まっていないか、定期的にチェックしてください。

週1回30分でできる最適化レビューの回し方

「最適化って、毎日時間をかけないといけないの?」とよく聞かれます。私の答えはNOです。慣れてしまえば週1回30分のレビューを習慣にするだけで、広告パフォーマンスは確実に上がっていきます。

私が毎週やっているレビューの流れはこうです。

  • 【5分】先週のACoS・CTR・CVRを確認して前週比を把握する
  • 【10分】レポートを見てネガティブターゲットの候補を探す
  • 【10分】入札価格を上記STEP4のルールに従って調整する
  • 【5分】予算が途中で止まっていたキャンペーンがないか確認する

この4ステップを毎週繰り返すだけです。最初は慣れなくて時間がかかりますが、2〜3ヶ月続けると30分でサクッと終わるようになります。大切なのは「週1回必ずやる」という継続性です。

Amazon広告の最適化に役立つツールと機能

最後に、最適化作業をスムーズにしてくれるツールや機能を紹介します。これを知っているだけで作業効率が大きく変わります。

Amazonが提供する「入札の最適化」機能

Amazon Adsには「動的な入札調整」という機能があります。これはAmazonのAIがリアルタイムで入札を自動調整してくれる機能です。「コンバージョンの可能性が高い場合は入札を上げ、低い場合は下げる」という動きをしてくれます。

ただし、自動調整に任せきりにするのではなく、週1回の手動レビューと組み合わせるのがベストです。全自動にしてしまうと、気づいたときにはACoSが予想外に上がっていた、ということが起きます。

AIを活用

広告の配信結果をCSVでダウンロードしてAIに読み込ませ、「目標ACoSは〇〇%です。改善ポイントを教えて」といった指示を出すと、データをもとに、人間では見落としがちなパターンを瞬時に抽出できます。「この広告グループはCPAが高騰している」「このキーワードはインプレッションはあるがクリックされていない」といった具体的な改善ポイントを、数値根拠つきで指摘してもらえるので、悩むぐらいならAIに考えてもらうのがおすすめです。

注意
広告データには、売上・予算・ターゲット情報など機密情報が含まれます。これをAIツール(特にChatGPTなどのクラウド型AI)に入力すると、学習データとして利用される可能性があり、情報漏洩リスクが生じます。企業の運用担当者は事前に会社への確認をした方が良いです。運用代行をしているのであればクライアントへの事前説明と同意取得、または匿名化・数値のみに加工してから入力をしてください。対策しない場合、最悪のケースではデータ流出となり、クライアントからの損害賠償請求や契約解除、さらには行政処分を受けるリスクがあります。

まとめ:Amazon広告の最適化は「地道なPDCA」が全て

Amazon広告の最適化について、実務目線でお伝えしてきました。最後に要点を振り返ります。

  • 最初にACoS・CTR・CVRの3指標を把握して「目標ACoS」を決める
  • オートキャンペーンで2〜3週間データを集めてから、マニュアルに移行する
  • 検索用語レポートで「当たりターゲット」と「無駄ターゲット」を仕分けする
  • 入札調整は10〜20%ずつ・週1回のペースでゆっくり動かす
  • 広告だけでなく商品ページのCVR改善もセットで取り組む

Amazon広告の最適化に魔法のような即効策はありません。でも、地道にPDCAを回し続けると、3ヶ月後には別物のように数字が変わります。私が支援してきたセラーさんで、半年でACoSを45%から18%まで改善できた方もいます。まず今週、検索用語レポートを1回だけ開いてみることから始めてみてください。それが最適化の第一歩です。

この記事を書いた人 あじゃ

あじゃ

新卒でフィリピン・セブ島のIT留学学校に飛び込み、気づいたら校長してました。コロナで帰国後はWebマーケターに転身。某大手企業の広告運用やWeb改善を担当。今はフリーランスで、Webコンサルや広告の運用を複数社掛け持ちしており、大手出版社広告も手がけています。「実際やってみてどうだったか」を再現性のある情報として発信しています。

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